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『朗読者』 ベルンハルト・シュリンク (板栗香さん)
ベルンハルト シュリンク
新潮社
¥ 1,890
(2000-04)
この作品のTBはこちらの記事にお願いします。
元記事はこちら

5年くらい前だったかな〜?友達からこの本を薦められて借りたものの翻訳物だしなぁ・・・と思ってなかなか手が伸びなくて、読まずに返しちゃった事がありました。でも、とてもいい!という評判は聞くし、いつかは読みたいとずっと思っていたのです。そして、本を読む人々。の100冊文庫企画にノミネートされたので(そして選ばれました!)機は熟した!というわけで読んでみました。
いや〜読んで良かったです。たぶん5年前じゃなく、今読んで良かったと思います。昔だったらこの本の良さがわからなかったかもしれない・・・
この本の紹介文って「胸を締めつけられる残酷な愛の物語」とか「15歳の少年ミヒャエルと21歳年上のハンナとの切ない恋」だとか、タイトルからしてプラトニックな恋愛小説だと思っていたのですが、そうではなかったのでびっくり。確かに恋愛小説なのでしょうが、もっと重たい問題を内包した重厚な小説でありました。
多くの人がレビューでネタバレになってしまうので・・・と書かれていますが、確かに驚くポイントが3箇所ありました。そのうちの1点は衝撃的でした。

3章から成り立っていて、1章では2人の恋の話がメインで、朗読も一応しているようなのですが2人の恋愛においての力関係や体の関係が話のメインになってしまっていて、なんでこんなタイトルがついているんだろう?とさえ思ってしまったのです。

そして、2章では過去の戦争の事や収容所での実態、戦争犯罪の裁判がメインとなります。本書を読むまで知らなかったのですが、ドイツ人がこの罪についてこんなにも心に深く根付いて暗い影を落としている事を知って衝撃を受けました。自分の親の世代が、この犯罪に積極的に関わった人もいれば、見てみぬふりをした者もいたり、逃げ出した者もいたり・・・その事について子供たちが学び知って考えていく・・・日本との違いに驚きました。

私は夏休みの登校日に見る戦争映画が怖くて衝撃的でいつも見ては泣いていたんですよね。だから戦争の事を知らなくてはいけないと思うものの、ずっと避けてきちゃってて。アウシュヴィッツの事も一応知ってはいますが、深くは知らないんですよねぇ・・・なので『アンネの日記』も読んだことがなかったのですが、最近『アンネの日記(増補改訂版)』というのが出たそうですし、本書を読んでますます『アンネの日記』をちゃんと読まなくっちゃ!って思いました。

話がだいぶそれてしまいましたが、本書における衝撃ポイント、それを知ってからストーリーの見え方ががらりと変わってしまうんですよね。そうすると、この『朗読者』というタイトルがこれ以上にないピッタリなものだと思えてきます。

女性は最後の恋が忘れられないけれど、男性は初恋が忘れられないと聞いた事があります。こんなにもインパクトがあって切ない思いを初恋で経験してしまったら、ミヒャエルのその後の恋愛や結婚に大きな影響を与えてしまうのは仕方のないことでしょうね・・・

その後も、もう一波乱あり読後感は非常に重たいです。でもこの重たさは嫌いではありません。『ザ・ロード』の重たい読後感は耐え難いものがありましたが(苦笑)
過去の戦争の負の遺産をこのような文学という形で昇華させてしまうドイツ人のたくましさやタフさに驚きもしましたし、今後もこの問題に深く関わり続けていくのでしょう。心にずっしりきますが、読んで良かったと思える本でした。
posted by torakichi | 19:53 | メンバーズレビュー(板栗香さん) | - | - |
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